スポーツの世界では小中高校生と世界で活躍する人たちが続出し、将棋でも中学生が大人顔負けの勝負師としてテレビで人気者です。
アートの世界では、小学生の絵にたいして「子供の絵はすばらしい」なんて声をよく聞きますが、中学高校になると、まさに学生らしい絵になってきて面白さがなくなってくるように感じます。これって美術教員が悪いのでしょうか…と全国の美術教員を敵に回してしまいますね。なぜアートの世界では子どもたちが活躍できないかと思いますと、大人たちの「それしたらダメー」が多いからでしょう。とある高知の画塾の先生は若い子の話は聞きませんと断言しています。どうぞデッサンだけ教えておいてください。
そんな中、最近の高知アートシーンで高校生がギャラリーを借りて個展をする人が増えてきたように感じます。ギャラリーの借賃が安いのも個展をやりやすい環境なんでしょう。とある学芸員も高知は高校生が個展をやる珍しい土地と言われていました。そうなんですよ若いからよく考えていないんでしょう。
GalleryEを立ち上げて高校生の個展が多くなりました。そして全員女子なんです。GalleryEは建物を燃やさなければ何をしても良い表現力を最大限に表現出来るギャラリーと作家には説明するのですが、なかなかどこまでしてよいか迷子になる人たちが多いです。
そんななかひときわ異彩を放った今井桃子さん
おとなしそうな女子高校生なのですが、搬入のときに「展示好きにやっていいですか」と聞いてくるので「好きにしてください壁にもドンドン書いたらいいよ」と伝えると白い壁がドンドンピンクの文字で埋められていくのです。躊躇がないんですよ。しかも夜7時ごろから延々と書き続け帰ったのが次の日の朝11時とギャラリーで夜通し徹夜です。おかあちゃんに連絡だけはしてねとわたくしは付き合いきれないのですぐ寝ましたが、自分最近徹夜して作品制作しなくなったな〜と懐かしさと徹夜できなくなった体が悲しくなりました。
高校生のノリについていくことは面倒くさいですが、やりたいことを許す大人たちが増えたらもっと高校生の作品はおもろくなるのではないかと思います。そして、今月(2月7日〜20日)また高校生が個展を開催しますが、今度は白い壁をペンキで黒と赤に塗り替えると言い出しました…コンセプトを聞くと「やりたいからです!」
壁を塗り替えるのが面倒くさい…。

地方の高校生アート事情