福島の原発事故から関東圏の方々が地方ちほうと言い出した感が地方の人間からしたら感じるんです。
ついこないだも東京で活動していた演劇の方が西日本に移住して活躍している方の話をお聞きしたところ、「東京ガーなになにデー」と東京中心に文化が回っているとヒシヒシと感じるわけです。
経済で考えますと国も東京中心だと成長しないと感じたのか、地方創生ダーとなんだか知らないうちに国の成長は地方にも原因があるから頑張れといきなり責任転嫁なわけですよ。のほほ~んと低所得で生きてきた地方人からしましたら、「今頃なに言ってんねん」です。
文化ってその土地固有のものってあると思います。
たとえば、気候によって生産される食物の違いや海と山でも収穫できるものが違います。その食べ物からその土地固有の文化って生まれているような気がします。今はどこでも楽天が配達するので、食文化は崩壊しておりますが、高知県の太平洋の壮大な海や台風銀座(最近台風こないので死語です)で災害が多い土地柄、高知県民の明日の生活なんとかなるぞと酒飲みパチンカーを生み出し「はちきん」と呼ばれる女性が強くて離婚率が高くなる方々が生まれるんでしょう。
話はアートに変わりまして、今までの連載で高知のアートを語ってきましたが、都会との明らかな違いはアート人口が少ないので、ほとんどが知り合い状態。顔が近い関係なんです。それぐらいじゃないかな?
高知の作家さんが都会にはチャンスがあるといいますが、チャンスをゲットできない人の言い訳だと思います。そんな事言う前にどうぞ都会でチャンスをとってこいって感じです。
国もアートも地方ダーと言い出した近年、都会からアート関係者がひょっこり来ることも多々あり、アンテナを張っていれば出会うきっかけはいくらでもあるし、興味がある人がいれば夜行バスで東京まで会いに行けばよいのです。
国立国際美術館の植松由佳さんに「自分が住んでいる場所で世界一楽しいことをやったらいいのよ」とインデペンデンスキュレーターの菊田樹子さんに「頼まれてもいないのに作っている人たち」の言葉が自分の制作原点になっています。どんな場所でも制作する面白さは一緒だし、自分の好きな土地で制作することは最高の楽しみなんです。

最終回です地方でアート