前回はアートとお金(ギャラリー運営)の話をしましたが、高知の作家たちが直面する作品の値段をいくらにするか問題があります。
自分はアート系の大学&専門学校で勉強をしなかったので、なんだかよくわかりません。そこで、高知の先輩作家などに聞いてみるのですが、「高くしたら売れるよ。興味のあるお客さんがいたら、半額にしたら買ってくれる」や某有名工芸家は「時給換算っす」と基準がよくわかりません。
高知のアート界を牽引(権力)している方々は高知県展覧会(高知新聞主催、通称県展)の重鎮(後期高齢者)たちですが、その中でも最も発言力がある人たちが「無鑑査」どのような形で成り上がるのかと言いますと、県展で1等賞を3回ゲットで無鑑査です。(高知でしか通用しません)そしたら、作品が100万円(でかいサイズ)で売買可能です。お教室も開くことができます。その他の末端アーティストたちは悲しいかな10万円ぐらいで作品を売るがぜよ(土佐弁)
そして、もっと不思議な言動をする作家たちがおります。「一度値段を決めたら値段を下げてはいけません」…値段を下げたらいけないとは物価は関係なく常に作品はインフレ状態なわけなんですか?バブル時にアート作品が上がり、バブル崩壊後に暴落したよね。なんてツッコミを入れたら、作家たちが口を揃えて「難しいことはよくわからない」です。
高知にコマーシャルギャラリーが少ないので、なんだか価格が曖昧になるわけです。沢マンギャラリーの代表(他にやる人がいないので代表を務めていたのです)ということで展示作家から価格の相談があります。無責任ですが「好きな値段をつけたらいいよ」と言い続けていました。売れなければ次の展覧会で値段を下げたらいいし、全部売れたら次回は値上げです。一点ものなので、相場ってないような気がするわけで、一点物神の見えざる手です。自分は現在不動産会社で働いていますが、土地売買も一点ものです。実は相場ってあるようで無いのです。いくらでも高く売ることができ、安くもできます。(評価額などは固定資産税的に必要なのです)値段をつけても買い手がいなければ現金化できないので残念おしまい。
そういえば行きつけの飲み屋「にこみちゃん」で友人たちとアートの話に花を咲かせていたら、見知らぬ隣の席の人がいきなり話しかけてきて「クリスチャン・ラッセンすごくいいですよね〜私買いました」「…」
やはりイルカの絵だろうが、好きな作品を買うのが一番です。
価格の決め方