新宿眼科画廊新聞を読まれている方は東京人のはず。皆さん東京の人々は地方って感覚無いですよね。高知の人たちから言わせたら「東京は地方モンの集まりじゃ」と僻みますが、やはり東京は憧れの地であります。高知の作家たちもいつかは東京で個展をしたい(ほとんどの高知在住作家は東京のギャラリーを知りません)とぼやきますが。なかなか勇気とお金がついてこないのが現実。そんな高知県ですから、東京でご活躍した作家がUターンなどした場合は地元のヒーローです。そんな東京帰り高知限定ヒーローたちの特徴として田舎の自主運営ギャラリーなんてケチョンケチョンと批判をするんですよね。今に見ておれこんちきしょう!とプンプン腹を立てていましたが、そんなヒーローたちも経済力の乏しい高知県では時間とともに衰弱していくさまを見ると少し可愛そうになってきます。いろいろと諸事情があり地元に返ってくるのでしょうが、東京で勝負するってのは大変なんでしょう。
高知で活動していると、東京のアート関係者に「どうして高知で活動しているのですか?」なんて質問をされます。自分自身の理由としては住んでいるから、高知が好きだから、生まれた土地だからなどありますが、こんな答えでは、どうも説得力が乏しく、もっと崇高な考えが必要なのでしょうね。東京で勝負しないと、その時点で負け組なのでしょう。
若い友人でやる気のある人達は、有名作家のアシスタントや瀬戸内芸術祭のお仕事で、アートを勉強しようと出稼ぎに行きますが、現状は過酷なアートブラック労働であり、ズタボロで帰ってきます。アートって理想的なことを掲げているにも関わらず労働環境は「アート蟹工船」です。若者の労働が食い物になっている!田舎者は騙されやすいのです。
そういえば、沢マンギャラリーで奈良美智さんの展覧会を開催した時に高知県の美術が好きな人たちが奈良美智さんを知らず、スマホで画像を見せまくり、耳にタコができるほど「あ〜見たことあるある」と皆さんからお聞きしましたわ。余談ですが、高知美術館ホールに講演会依頼を申し込みした際に担当者(臨時職員だと思いたい)が講演会の内容を教えてくれと言われ「奈良美智トークショーです」と自信満々に言い放つと「どのようは方でしょうか?」「…ググってください」こんな現状です。
それよりイオンモールで開催するクリスチャンラッセンイルカが人気なんですよ…
奈良美智展終了後おこなわれた助成金報告会である理事から「作品を拝見させていただきました。作品はダンボールに書かれていましたね。安っぽく見えますが、価値あるものとして見せる努力はいたしましたか」と突っ込まれ愕然としたものです。
たまに、東京の有名作家(勉強不足ですが、自分も知らない人)の企画展などを見に行くと「東京ですごい売れています」の宣伝文句でドン引きです。
話がそれまくりましたが、高知の方々、東京って名前だけに憧れているミーハーたちですよね。
きょううどん屋で週刊現代を見ていたら小山登美夫さんが出ていました。おっさん頑張っているな〜としみじみです。
「高知アートシーン。東京を憧れるけど、何に憧れているのかわからない…」の巻