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来場者との対話ノートより|kanzan gallery「Pinhole Camera Extended」

展示会場に設置された〈単語帳〉には、来場者の声が日々書き込まれています。
そのひとつひとつに岡本明才が応答し、視覚と言葉をめぐるもうひとつの“展示”が生まれています。

ありがとうございます。
ピンホールの仕組みも、写った像も、謎が深まるばかりの作品です。
とにかく「やってみる」精神で作っていて、その実験性は音楽にも影響を受けています。
ドイツのジャズレーベル ECM から刺激をもらっています。
制作は面白いです。ぜひ、一緒に続けていきましょう!

ありがとうございます。実は私自身、美術館で音声ガイドを聞いたことがないのですが、
「長くならないように」「歩きながらでも聴けるように」とだけ意識して、すべてアドリブで録音しました。展示に入り込んでもらえたなら、とても嬉しいです。

ありがとうございます。
実は「ピンホールで作品をつくって展示しても、説明がないとわからない」と言われ続けて19年が経ちました。ある日シャワーを浴びている時に、「カセットで音声解説をつけてみよう」と思いついたのがきっかけです。展示の一部として、言葉で構造や視点を開いていけることに手応えを感じています。

恐ろしい話ですが、実は眼球の中の網膜に写っている像を写したいと思ったことがあります。
眼の中(脳まで情報が届いていない状態)の方が主観が消えるので気持ちがいいです。
部屋に外の風景が映し出されたときはビビりましたし、なんで穴だけで像が写るんだろうかと不思議でした。泣きそうになる作品が作れて感無量です。