先日、香港のアートバーゼルに遊びに行った友人の土産話を聞いていたら、会場はともかく街にもアートが溢れ盛り上がっていたそうです。うらやましい。
日本では、どちらかといいますと地域おこし系アートが盛んなような気がしてなりません。たまたま先日、高知市内でアートマネジメント講座なるものがあり、参加したのですが、内容は講師のおっさんが地域おこし系アート祭りの過去の自慢話(これが結構面白かった)おっさんは何を言いたかったのかといいますと「すべての人がクリエイティビティになれ!」言いたいこと十分すぎるほどわかるのですが、社会には歯車人間も必要なわけで潤滑油人間も必要な気がします。というか全くマネジメント的なアドバイスがなかったので実践的ではないのが残念。評価は30点
そんなこんなで、高知をアートで盛り上げようと思いますが、県民意識はどうかと言いますと、多くの県民はアートではなく幕末押しです。その先頭に立つのは知事ですが、英雄坂本龍馬で観光客を増やすことに躍起です。
実際、観光客は増え続けているので坂本さまさまなのです。(わたくし坂本龍馬が嫌い派)まあ県知事室には先月話題にした世界的写真家桐野の写真がドーンと飾られ一応アートわかりますよ知事ではありますが、最近県庁の人事異動があり、ちょっとそれはいかんでしょ!とわたくし怒りまくりです。
怒りの原因は、県美のベテラン学芸員が美術館以外の職場に異動になりました。この学芸員、たまに酒を飲む仲の楽しい人ですが、真面目すぎて一緒には仕事をしたくないタイプです。面白い展覧会も企画し高知県のアートの歴史を研究しております。
アバンギャルドが流行った時の「前衛土佐派」
高知出身ではないのになぜか高知代表の「大木裕之」
森山大道の師匠的な存在で高知出身の「井上青龍」などなどその他にも郷土作家を研究(桐野は除外対象)しておるのですよ。そんな学芸員を美術館から追い出すのはおかしい話です!全国的に有名ではない郷土作家の研究は大切です。そのことを強く感じたのが今年のはじめに県美で『高知の洋画』という企画展が素晴らしく良かったのです。高知作家の歴史絵巻ですが、自分自身が高知で制作しアイデンティティが確立したことを先輩たちの活動で見えてくるのです。歴史って大切です。
司馬遼太郎さんの脚色された坂本さんもよいのですが、アート作品が教えてくれる歴史は見たままなのです。
怒りプンプンなので、ベテラン学芸員の復帰を画策しようと酒を交わしたら「教育委員会に移動になり土日が休みになって心の余裕ができた今のままで十分」「…」
美術館ってブラックなんですかね。

高知県はアートより歴史へ