ちょうどアート業界で性的な表現をめぐる議論が続いていた頃、前回紹介したやまもとありささんとトークイベントを開催しました。画像検索の結果をプロジェクターに映しながらお客さんと画面を見て、良い時代になったなどと語っていたのですが(子供の頃はエロ本にバターを塗ったりカッターで擦ったりしたものです)、誰でも自由に見られる時代になぜ規制されるのだー!と語っていたら、おっさんが怒り出し「警察が来たらどうするんだ」と興奮しておりました。警察来たら謝ります。謝って済むのであれば魂を売ります。トークのまとめとして「エロは秘密だからエロ」で終わり、盛り上がりました。
なにかと性的な表現は問題をはらみますが、沢マンギャラリーでいちばん考えさせられたのは、身体を主題にした絵を描く、ある作家の展示です。表現が理由で高知のギャラリーから断られ続け、行き場がなくなった状態で、沢マンギャラリーのメンバーとして参加したいと連絡がありました。自分としてはどんな作家でも受け入れたいので参加してもらいましたが、一つの問題として、沢田マンションの大家さんが怒ったら展示が中止になってしまうこと(ギャラリー規約にも書いています)。社会に表現の自由を訴える前に、大家さん&ご近所さんに理解してもらうのが先決です。
打ち合わせで18歳未満禁止の展示にしようと提案するも、作家はこの表現を子供にも見てもらいたいと言い出す始末…。ほかにも、まわりの理解を得るのが難しい作品を展示したいと言ってきて、これはさすがに引き受けきれませんでした。もう勘弁して下さいです。ただ、どうしても人に見てもらいたいという思いは、十分すぎるほど感じました。
表現する場所であるギャラリーが、なぜ規制をかけるのか。結局、大家さん&ご近所さんには内緒にして、誰でも入れるオープンな形で開催しました。意外と多くの方に見てもらえて、ネットで炎上するかPTAのご婦人が騒ぎ出すかとおもいきや、静かに終わっていきました(ちょっと残念)。
前回のやまもとさんは表現が理由で連載が中止になり、ネットで炎上して一躍有名人となりましたが、あの作家にも同じくらい知られてほしかったと思っています。